子育てとアトピーっ子の治療で、いつも頭をかすめる大岡裁き [日記]
なんじゃ?それ? ・・・のタイトルではありますが、まぁ、まずは前回のお話の続きから。
新聞で読んだ 「食べて食物アレルギーを治す食物療法」の記事前半では、臨床研究での治療の例が少し詳しく出ていましたので、これを前回ご紹介しました。
他にも、横浜市神奈川県立子供医療センターや大阪府守口市の関西医大滝川病院、国立病院機構福岡病院などの名前が挙がっていて、同じ食事療法であっても、原因物質を増やすスピードや薬の使用などには、かなり差があるようです。
もともと 食物アレルギーでは、乳児から2歳前後までは、医師の指導の元に、原因物質を除去し、 小学校入学前後からは、やはり、医師の指導を受けながら、無理がないように、ゆっくり復食して食べられるようになる
ような、制限から復食までを、ワンセットで医師に指導してもらうのが理想だと思います。
ただ、
みんなと同じだけ食べられることが、一番いい治療(解決方法)じゃないよ!!
と言うのは、制限から復食までを、わが子で体験した親として感じます。
食べられるようになっても、食べ過ぎれば湿疹が出てしまう。
こともあるし
花粉やストレスのような他の要因で、体がアップアップの時には、以前 アレルゲンだった食べ物を抜いて野菜中心の食事をしばらく摂らせてあげることで、全身症状が楽になること
も、実際にはありました。
「大岡裁き」として有名な、名奉行 大岡越前の人情話の一つに、こんな話があります。
お白州(時代劇の裁判所ですなぁ。地面にムシロが敷いてあります。)に、女が二人と真ん中に一人の子供が横並びに座っています。
これから裁かれるのは、保護された子供を、「私こそが、この子の母親」と、互いに言い張る女たちです。
もちろん、一人が本物で、もう一人は、偽者。
でも、今みたいにDNA鑑定もない時代ですから、いくら名奉行の大岡であっても、母親たちの言い分は平行線で、その真偽はつきません。
その時、大岡が、「それなら、その子を両方から引っ張り、勝った方を母親と認めようぞ」と、二人に持ちかけます。
二人の母親は「それ!」と、いっせいに子供の腕を引っ張り始めますが、両方から力いっぱい引っ張られては、子供はたまりません
「母ちゃん、痛いよ~」
泣き叫ぶ子供を見て、思わず片方の母親が手を離します。
「勝った!」 と、子供を引き寄せて喜ぶ、もう片方の母親を尻目に、
「泣き叫ぶ子供を目の前にして、思わず手を離したもう片方の母親こそ本物!」
と、大岡は判決を下し、名裁きの一件落着となります。
手放せば人のものになる・・・とわかっていても、実の親だからこそ、子供の痛ましい姿を見ていられない・・・だから手を離す。
こう推察して、「子供を引っ張れ」と命じた大岡の読みが、言葉だけでは判断できなかった、本物の母親の姿をあぶりだしたのです。
子供の頃に、本当によく出来たお話だなぁと、感心して読みましたが、アトピーっ子の子育てをしていると、この話によく似た場面に私が何度も立ち会っているような気がしてなりません。
子供が治療で苦しんでいる・・・その治療を止めるか、それとも、結果が出るまで、もう少し続けるか。
子供が勉強や試験で、ストレスを貯めている・・・花粉症のようなアレルギー反応がひどくなるほど、がんばらなくていいんだよ・・・いや、いや、みんながんばっているんだから、最後まで全力を尽くせと励まさなくちゃ。
親の私がつかんだ片手を離してやれば、子供は楽になる。それはわかっています。
でもそれでいいのか?
果たしてどちらが、本当に子供の幸せにつながるのだろうか?
今回のような食事療法でも同じようなことを頭の中でぐるぐる考えます。
食の制限があったアトピーっ子が食べられるようになれば、とっても嬉しい゛
間違って食べても、アナフィラキシーを起こさないよう、ある程度食べられる
のも、成長するにつれて必要なことだと、私も思いますが、治療法が体に合わなくて、苦しみながら食べている子供の姿を見るのはつらい。
その時、治療は続けるべきなのか、止めるべきなのか?
アトピーの治療に、絶対の正解はないから、この判断が難しいんだなあ。
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新聞で読んだ 「食べて食物アレルギーを治す食物療法」の記事前半では、臨床研究での治療の例が少し詳しく出ていましたので、これを前回ご紹介しました。
他にも、横浜市神奈川県立子供医療センターや大阪府守口市の関西医大滝川病院、国立病院機構福岡病院などの名前が挙がっていて、同じ食事療法であっても、原因物質を増やすスピードや薬の使用などには、かなり差があるようです。
もともと 食物アレルギーでは、乳児から2歳前後までは、医師の指導の元に、原因物質を除去し、 小学校入学前後からは、やはり、医師の指導を受けながら、無理がないように、ゆっくり復食して食べられるようになる
ような、制限から復食までを、ワンセットで医師に指導してもらうのが理想だと思います。
ただ、
みんなと同じだけ食べられることが、一番いい治療(解決方法)じゃないよ!!
と言うのは、制限から復食までを、わが子で体験した親として感じます。
食べられるようになっても、食べ過ぎれば湿疹が出てしまう。
こともあるし
花粉やストレスのような他の要因で、体がアップアップの時には、以前 アレルゲンだった食べ物を抜いて野菜中心の食事をしばらく摂らせてあげることで、全身症状が楽になること
も、実際にはありました。
「大岡裁き」として有名な、名奉行 大岡越前の人情話の一つに、こんな話があります。
お白州(時代劇の裁判所ですなぁ。地面にムシロが敷いてあります。)に、女が二人と真ん中に一人の子供が横並びに座っています。
これから裁かれるのは、保護された子供を、「私こそが、この子の母親」と、互いに言い張る女たちです。
もちろん、一人が本物で、もう一人は、偽者。
でも、今みたいにDNA鑑定もない時代ですから、いくら名奉行の大岡であっても、母親たちの言い分は平行線で、その真偽はつきません。
その時、大岡が、「それなら、その子を両方から引っ張り、勝った方を母親と認めようぞ」と、二人に持ちかけます。
二人の母親は「それ!」と、いっせいに子供の腕を引っ張り始めますが、両方から力いっぱい引っ張られては、子供はたまりません
「母ちゃん、痛いよ~」
泣き叫ぶ子供を見て、思わず片方の母親が手を離します。
「勝った!」 と、子供を引き寄せて喜ぶ、もう片方の母親を尻目に、
「泣き叫ぶ子供を目の前にして、思わず手を離したもう片方の母親こそ本物!」
と、大岡は判決を下し、名裁きの一件落着となります。
手放せば人のものになる・・・とわかっていても、実の親だからこそ、子供の痛ましい姿を見ていられない・・・だから手を離す。
こう推察して、「子供を引っ張れ」と命じた大岡の読みが、言葉だけでは判断できなかった、本物の母親の姿をあぶりだしたのです。
子供の頃に、本当によく出来たお話だなぁと、感心して読みましたが、アトピーっ子の子育てをしていると、この話によく似た場面に私が何度も立ち会っているような気がしてなりません。
子供が治療で苦しんでいる・・・その治療を止めるか、それとも、結果が出るまで、もう少し続けるか。
子供が勉強や試験で、ストレスを貯めている・・・花粉症のようなアレルギー反応がひどくなるほど、がんばらなくていいんだよ・・・いや、いや、みんながんばっているんだから、最後まで全力を尽くせと励まさなくちゃ。
親の私がつかんだ片手を離してやれば、子供は楽になる。それはわかっています。
でもそれでいいのか?
果たしてどちらが、本当に子供の幸せにつながるのだろうか?
今回のような食事療法でも同じようなことを頭の中でぐるぐる考えます。
食の制限があったアトピーっ子が食べられるようになれば、とっても嬉しい゛
間違って食べても、アナフィラキシーを起こさないよう、ある程度食べられる
のも、成長するにつれて必要なことだと、私も思いますが、治療法が体に合わなくて、苦しみながら食べている子供の姿を見るのはつらい。
その時、治療は続けるべきなのか、止めるべきなのか?
アトピーの治療に、絶対の正解はないから、この判断が難しいんだなあ。
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私などは安易に、食べなくていいのに。と思ってしまいますが、そういうわけにもいかないのですね・・・いろいろ考えさせられました。
もう少数派ではないと思うし食べられなくても全然不便じゃない世の中になったらいい・・・なあ、なんて。
by a-shan (2010-03-28 06:17)
この選択はめっさムズイんでしょうね。
結果は判ってはいてもついつい親心が・・みたいな。
とくに先を読みにくい不確かなものであれば余計ですね。
by kabekazi (2010-03-28 07:39)