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アレルゲンを「食べさせないで治す」も「食べて治す」も、心や体、そして親子関係をもむしばむ [アレルギー治療について]

久しぶりに、私がずっともやもやを感じていた記事に出会ったのでご紹介します。

子供が成人し、孫までいるのに、なぜ未だに卵や牛乳なしの料理をご紹介し続けているのか

それは、治療のためとはいえ、食物アレルギーで幼児期の我が子に過酷な食事制限を強いた体験がつらすぎたからです。

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ある時期から 食物アレルギーの治療法は、「食べられない食材は制限する」から、「食べて治す」経口免疫療法へと舵を切るようになりました。

食べられるなら、その方がいいんじゃないのという方もいるかもしれません

でも、「食べて治す」治療は、「食べさせない」治療以上に過酷な体験を子供に強いる場合もあったようです。

以下の記事は、経口免疫療法の初期の治療法として医師が指導した 急速にアレルゲンを摂取する「急速法」を試してアナフィラキシーで命を落としかけた体験について書かれていました。
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2024/3/20の朝日新聞 21面の記事です。

少し記事の中からご紹介すると

小4のヒロさんという方が、入院したうえで急速法でアレルゲンの牛乳を摂取した体験です。

四日間に200ccの牛乳を飲むことができて治ったと思い、自宅で200ccの牛乳を飲んだら

飲むたび顔が腫れ全身に蕁麻疹が出たりしました。

のどがイガイガしたり、咳が出る症状もあったようです。

ある程度アレルギーのことを知ると、軽い重いはあっても、それらか全てアナフィラキシーの症状を起こしているのだとわかります。

にもかかわらず、牛乳を飲み続けたら

12月にとうとう息ができないほどの大きなショック症状を起こし、手持ちのエピペンで、なんとかヒロさんは一命をとりとめました。

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ヒロさんは、牛乳の味が大嫌いで、飲みたくなくて治療の途中で飲む量をごまかして母親に叱られたりもしていました。
 [グッド(上向き矢印)]
ここが、隠れて卵や牛乳の入ったお菓子を食べて叱られていた息子の姿とも重なって私はつらい

明らかにアレルギー反応を起こしているのに、それでも飲み続けたのは


「これで治るかもしれない」という期待感と

「一度やめたら元に戻ってしまう」という医師や親から言われた呪詛のような強迫観念

そして

子供だから、自分の体に何が起こっているのかがわからなかっただろうし

子供だから、嫌でも治療を拒否する権利がないというあきらめもあったのでしょう

でも、体調の悪化より治療を優先して、本人は死にかけた・・・

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食べたいものを食べさせず、隠れて食べたら叱る     我が家の場合

食べたくないものを毎日飲ませて、飲んでなかったら叱る  ヒロさんのお家

どちらも、我が子の病気を何とか直したいという親心で始めたことで  

アナフィラキシーを起こして死んでしまったらどうしよう
かゆくて寝られないのを見ているのがつらい

そんな切羽詰まった気持ちからだと思うのですが、愛情をたくさん受けて育つべき子供の時期に、親から命の源である食べ物を制限されたり強制されたら

治療のためとはいえ子供はどれだけつらかっただろうか・・・と、今なら思い至るのです。

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その後、ヒロさんは「人ごみに行くと体調が悪くなる」「寝ていて突然苦しくて目が覚める」などの精神的な異常も体験したそうです。

我が家の親子関係は、まぁ良好なのではないかと思いますが、やんちゃで明るかった息子が、今は相当ストイックなのが気になります。

また、当時のアトピーのママ友の中には、親子関係が悪化してつらい思いをしている人も割合的に多い気がします。

食物アレルギーは、こうすれば必ず治ると治療として確立している病気ではなく

アレルゲンを摂ったときのダメージは人それぞれだから、医師は経験値がたくさん必要で、時には、今回のヒロさんのような医師の見立て違いも起こります。

難しい病です。

ただ、成長すると食べられるようになる場合が多いから

今もアレルギーで悩んでつらいママに、親としての間違いは最小限にして食物アレルギーを切り抜けて欲しいなと願って、

もうしばらくは、自身の経験を伝えてゆけたらと思います。

でも、この体験記には、その後に明るい展開が続いていました。

それは次の回で



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ryang

アレルギーって偏食と一緒くたにされて
いまだにあまり理解されていないですよねぇ
親子関係的にも、親は具合の悪い子供を
目の当たりにして動揺するし
食べ物以外のところで元気だもんで、子供に
「良い加減してよ」「我慢して」てなる親御さんも
多いです 親がアレルギーやアトピーじゃないと
なかなか理解されないというのもありますし
親御さんがよく理解して子供のことを見てる家って
珍しいなと思います
by ryang (2024-03-26 00:01) 

いっぷく

食べ物のアレルギーは、理解されにくいですね。
by いっぷく (2024-03-26 01:14) 

よいこ

ryangさん、こんにちは
一般的にめんどくさい内容なのにちゃんと読んでくださって、的確なコメントもいただいた本当に嬉しいです ^^
たくさん抱え込んだので、かきたいことはいろいろあるのですが、難しすぎて文章にならないので、やっと今回、少し言葉にできた感じです。

いっぷくさん、こんにちは
そうなんです。
私の場合は、食べ物に関する事故があるたび、そこにアレルギーはあったのだろうかと、悶々として気持ちで記事を読みます。
by よいこ (2024-03-26 09:04) 

藤並 香衣

小学校の修学旅行でアレルギーのある子は別メニューになり
同じものを食べられなくて残念だったと息子から言われ
なんとも言えない気持ちになったのを思い出します
うちの息子は卵でしたが、顔を真っ赤にして激しい嘔吐が最初でした
その様子が常に頭にあったので
「もうあんな辛い思いをさせたくないし、見たくない」って思いました
親はみんなそれがあるから、治るならばと必死なんですよね
by 藤並 香衣 (2024-03-28 23:03) 

よいこ

藤並 香衣さん、こんにちは
大変でしたね。
私も後から似たことを聞きました。
ただ、一度アナフィラキシーを経験すると、死んでしまうかもと怖くて怖くて・・・
小学校から無事に帰ってきて!
といつも祈るような気持ちで送り出していました。
でも、そんな感覚があると、親の愛情が形を変えて子供に伝わってしまうこともあるので、その意味では不幸ですね。
by よいこ (2024-03-29 23:41) 

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